校内LAN利用 電気回路回路学習を通しての取り組み
仙台市立第一中学校 福嶋政一
1 はじめに
生徒が「電気」に興味・関心を持ち,主体的に学習に取り組み,そこから得た知識や体験を
生活に生かすような指導ができるように研究を進めていくことにした。
2 研究のねらい
電気領域においては目に見えない電気の流れを対象とするため、単に理論的な学習をして
は生徒は意欲を失い、自ら学ぶ意欲を育てることはできない。そこで、視覚聴覚、触覚どのな
感覚から、知識、理論を習得させたいと考えている。
そこで、課題解決学習の中で、生活に密着した課題を設定し、体験的・実験的に取り組める
教材を使っていけば,生徒の興味・関心が高まり,自らの疑間や課題を追求し解決しよと<す
る意欲や実践力も高まるであろうと考え研究実践を進めてきた。今年度は次のの観点に重点
をおいて研究を進めた。
○課題把握を容易にし,学習意欲を高める。
○実体験的学習を通して,思考力や課題解決能力を養う。
@ 回路実験をする時の回路盤を用意した。
A 生徒一人一人の回路をチェックしていくことが困難である。そのためコンピュータを使って
生徒自身でチェックできるようにする。
B 課題把握が不十分な生徒もいたため、コンピュータを使ってシミュレ−ションで課題を提示
し,十分把握できるようにした。
C スイッチ動作を確認しながら回路を組むことができにくい。そのため、作動表を作成させ、
作った回路の確認できるようなソフトウェアを利用する。
D 一斉に課題に取り組むので,進度差に応じた課題解決ができないためコンピュータを使う
ことによって進度差に応じて課題を解決できるようにする。
E校内LANやインタ−ネットを利用して、生徒の回路図の発表やチェックをする。
@ 回路盤の工夫
回路盤は、教師用提示盤として、全体に説明する時にも利用できると同時に生徒が実体図を
作成する時にも利用できるようにした。
回路学習ソフトウェアの開発(ABCDに関して)
できた回路のシミュレ−ションが可能なソフトウェアとして東京書籍の「教科学習ボックス電気
回路」を使用することにした。簡単に電気部品の配置ができ、実体図を完成させると回路図が表
示され、スイッチをONにして負荷がどのようになるか再現できる。
また、実体配線や回路設計に進めるように学習ソフトウェアを開発した。実体配線や回路設計
の画面では,生徒の考えた回路に電流が表示され,電流の流れが確認できるため,回路のチェ
ックが可能である。

写真1 実体図によるシミュレ−ションを利用して操作しているところ
授業の展開例
基本的な授業展開の流れを下記に表してみる。
@ シミュレ−ションにより課題を把握する。
A 回路盤で課題の回路を作成する。
B 回路図に書き表してみる。
C 回路図を回路学習ソフトウェアでチェックをする。

写真2 授業の様子
D 回路盤で回路を修正する。
E プリントに回路図をまとめる。
4 研究のまとめと反省
(1) 教材教具の改善
回路盤の改良により,実体図による回路作成が簡単に利用できた。
(2) 回路学習ソフトの開発
回路学習ソフトの開発により,次のことに効果があった。
○自分のつくった回路の点検が生徒自身でできた。
○課題提示をシミュレションしたことで,課題把握が容易にでき意欲も高まった。
○コンピュータ使用により,生徒の主体的な取り組みが高まった。
○コンピュータ使用により,進度差に応じて課題を解決できるようになった。
また,下記にある生徒の感想や意見でわかるように,興味・関心をもって意欲的に回路学習に
取り組めており,課題解決の支援として効果があったと思う。さらに,課題達成の成就感や次時
への意欲づけも十分行うことができた。
できた生徒の感想
○パソコンをでの電気回路シミュレ−シヨンはおもしろかった。理由は、頭の中でまとまらなか
ったものが簡単にできたからです。もっと使っていろいろなものに役立てたいと思います。
○けっこう回路を考えるのは難しかったけど、ちゃんと電球がついた時はうれしかった。日頃何
気なく使っているものに、このような回路が使われていると知った。
○パソコンを使って考えると,思ったより簡単にできて,「私にもできるんだなあ」と実感した。
○バスの回路を考えた人はすごいと思った。
○電気回路というと複雑で難しいと思ったけど、けっこう簡単だったし面白かった。
○電気回路の授業は興味はなかったけど、今回の授業が好きになった。
さらに,課題に従って回路を作成するだけでなく,下記の生徒の感想に見られるように,この
回路学習を通して実際の家庭内の回路と関連づけて考えていくことができた。
○何気なくすごしている家の中にもあんな複雑な回路が組まれていることわかった。スイッチを
押したら電気がつくというのは当たり前だと思って何気なくスイッチを押していたが,あのス
イッチをつけるにもちゃんとした回路が組まれていることがわかった。今日の勉強でいろいろな
回路を作ることを知った。
また,回路を作成いくのに,進んでいる生徒がつまづいている生徒にアドバイスをしたり,
二人で協力して学習を進めていく場面もあり,意欲的に取り組む姿が随所に見られた。
5 おわりに
昨年度からの継続研究として実践を行ってきたが,回路盤,コンピュータによる学習支援によ
り,さらに興味・関心を持って主体的に学習に取り組んでいくことができた。
また,回路盤で回路を作成した後,コンピュータにより確認をするという手順で最初は学習を
進めてきた。しかし,学習が進んでいくなかで,示された解決方法だけでなく,生徒自身が取り
組みやすい方法を考えたり,見つけていくという発展的な学習に進んでいったように思われる。